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「ありのままの自分」を受け入れて、自分自身にOKを出してあげて欲しい。

ONtheに関わる人々、利用する会員様にスポットを当ててその人生に迫るインタビュー特集「穏坐な人々」。今回は心のパーソナルトレーナーの高橋ともさん。なぜ「心の健康」に興味を持ったのか。また、自らがトレーナーをされている、ONtheの会員オプション「メンタルヘルスマネジメント 心の保健室」の内容について、お話を伺いました。

インタビュアー / コータロー

株式会社ココロの保健室代表取締役/心のパーソナルトレーナー / 高橋 とも
龍谷大学在学中にベトナムでの孤児院運営活動に携わり、日本の子どもの心を元気にする仕事がしたいと決意。その後、専門性を高めるために関西福祉科学大学にて、心と身体の健康教育について学ぶ。奈良県の小学校で7年間保健室の先生として勤務。現在はメンタルヘルスコンサルタントをメインに活動中。

きっかけは「母のイライラを減らしたい」という思い。

− 今は「メンタルヘルスコンサルタント」をメインに活動されているということですが、学生の頃から心理学やカウンセリングを学ばれてたんですか?

そうですね。龍谷大学で心理学やカウンセリング学を学んで、その後にも関西福祉科学大学で心の健康教育について学びました。福祉の道に進もうと思ったのは中学生のときですね。

− 早いですね。僕が中学生の頃なんて、明日のことすら考えずボーっと生きてましたね(笑)

両親が喧嘩が多くて、毎日怒鳴り声が聞こえてくるような状態だったんです。それで、毎日お風呂でお母さんの愚痴を聞いてました。
そういう家庭環境の影響もあって、誰かが話を聞いてあげれば、苦しんでる人も少しは気持ちが楽になるのでは、と考えるようになりました。
学校でいじめを受けてたこともあるんですが、いじめとか虐待、そういう深刻な内容ってなかなか友達や先生に相談出来ないんです。

− 確かにそうですね。そういったご自身の経験が今のメンタルヘルスコンサルタントでの活動にもつながっているんですね。

はい。つらいことも色々経験したからこそ、今の幸せがあると思います。苦しかったこととか何か失敗したこと、その経験も活かして良い方向へと変えることが出来る、それをみんなに知ってもらいたいですね。

目がキラキラした子どもを増やしたい!

「日本の子ども達の心を元気にしたい」そう思ったのは、龍谷大学在学中にベトナムに行く機会があって、そこでの経験が決定的でした。

− ベトナムですか。観光とかではなく?

孤児院の運営活動に携わりました。場所も「フエ」っていう観光地でもなんでもないところ。 そこでベトナムの子ども達と会って、物質的には豊かじゃないのに、何故みんな笑顔なんだろう?って思ったんです。ほんとに子どもたちがみんな目がキラキラしていて「日本でもこんなに目がキラキラした子どもを増やしたい!」って思いました。

私と同じように、いじめや虐待などで家や学校に居場所のない子供達の力になりたい、そう思って保健室の先生になることを決めました。
コータローさんは子供の頃、保健室に入ったことはありますか?

− 保健室ですか、何回かありますね。体調が悪くなって熱測ってもらったり、サッカーしてて怪我したときとか。

そうですね。保健室ってそういう使い方をイメージされると思うんですが、実は心に問題を抱えて相談に来る子がたくさんいるんです。

− え !? そうなんですか。 それはちょっとびっくりですね。

それで、どうすればこの子達を内面から元気にしてあげられるんだろう?とずっと考えていて、「心の健康教育がしたい」って学校に提案しました。 少しずつ心の健康教育をする時間を増やしていって、それで気づいたんです。子供の心の問題の殆どは大人が原因だということに。だから子供を元気にするには周りにいる大人を元気にしてあげる必要があるんです。

− この前ニュースで、日本の子どもの精神的幸福度がかなり低いというのを見ました。目がキラキラしている国の子ども達と何が違うんだろう・・・。 大人の自殺率も高いですよね。

みんな頑張り過ぎたり詰め込み過ぎたりで、心に余白がないんだと思います。

− ストレスを溜めこんでしまう人が多いんですかね。

ストレスの傾向も人によって様々なんです。まずはどういうことにストレスを感じるのか、自分自身を知ることが大事ですね。
そういうことも知ってもらいたくて、日本中に心の健康教育を広めるために学校の先生からフリーランスへ転向して、今の心のパーソナルトレーナーの活動をしています。

「普通」じゃなくてもいいんだよ。

− ともさんはお子さんもいらっしゃるということですが、これまでのご自身の経験も踏まえて、育児に関して何か気を付けていることはありますか?

そうですね、色々ありますが「普通じゃなくてもいいんだよ」ってよく言ってます。「普通は〇〇で」とか「〇〇は普通じゃない」とか言ってしまいがちですよね。でも「普通」が必ずしも正しいわけじゃないですよね。

− 確かにそうですね。普通 = 正解ではなく、人それぞれだと思います。

だから普段から「普通」を押し付けないように、「自分はどう思う?」って、まず初めに子供の考えや気持ちを聞くようにしています。

− なるほど。反対に、人と違ってるからダメというわけでもないですからね。

私は「ありのまま」という言葉が好きで、あまり普通と違うからダメっていうのを押し付けてしまうと、子どもの自己肯定感にも影響しちゃうと思うんです。大人もそうですが、もっとありのままを互いに認め合える社会になって欲しいと思います。

「家族」のような存在、それがONthe

− ONtheの会員オプション、メンタルヘルスマネジメントのトレーナーもされているということですが、まずともさんにとってONtheはどういう場所ですか?

もうONtheは私にとって凄く大事な場所で、ここで知り合った方々に色々ときっかけを作ってもらって今の活動があります。だからONtheのおかげで今の私があるといっても過言じゃないですね。もし、ONtheがなかったら今でも学校の保健室の先生を続けてると思います。

− ただ作業する場所、というだけじゃなく色んな人とのつながりが出来ていくのは良いですよね。

スタッフの方もみんな優しくて、お父さん、お姉ちゃん、妹みたいな人たちがいて、ONtheは私にとって家族のような存在ですね。
これはかなり気合をいれてやらないと、という仕事があれば刺激やアドバイスをもらいに来たり、ちょっとほっこりしたいなという時にも必ず立ち寄ります。

メンタルヘルスマネジメント「心の保健室」

− 先ほどお聞きした、ONtheの会員オプションの「心の保健室」について、どんなことをされているのか教えていただけますか。

私が主宰しているHidamari Stationで「出前保健室」というのをやっていて、それをONtheでは「心の保健室」として、あとはルクア大阪でも「ひといき保健室」としてやらせていただいてます。人間関係で疲れてたり、心がモヤモヤしていて相談したいという方のお話を聞いて、サポートさせていただきます。ただ話を聞くだけじゃなくて、自分自身で心のセルフマネジメントできるように一緒に学んでいってもらいます。

− どういった方が受けてらっしゃるんですか?

それはもう男性も女性も、色んな方がいらっしゃいますね。大阪の近くの方だと喫茶店で対面でやらせていただいたり、遠方の方もオンライン(ZOOM)でもやっているので、離れたところだと沖縄の方もいらっしゃいますね。

− 沖縄まで、それは凄い。今はコロナ鬱とか、コロナ疲れも増えてるみたいなので、オンラインで悩み事を相談出来るのは凄く嬉しいですね。僕も色々聞いてもらいたい話がたくさんあるので、またこんどゆっくり相談させて下さい(笑)

はい。是非よろしくお願いします。

編集後記

私の知人にも、子どもの頃に壮絶な虐待やいじめを経験してきた人がいる。その人は虐待を受けることよりも、その苦しみを誰にも理解してもらえないことが何よりも一番つらいと言っていた。「悩み事があるけど相談できる人がいない」「誰かに話してもなかなか理解してもらえない」という方は、一度ともさんに相談してみて欲しい。私もついつい、インタビュー中に悩み事を相談してしまったが、心の保健室の先生がきっと苦しみを理解して、心をほぐしてくれると思いますよ。

ともさんのお絵描きでの自己紹介動画です。絵が凄く上手で分かりやすいので、是非見て下さい!
Draw My Life 自己紹介 とも100%:https://youtu.be/8kgHHkUct9w

ココロの出前保健室 Hidamari Station
http://hidamaristation.com/

ONthe 会員メンタルヘルスマネジメント オプション「心の保健室」
https://onthe.osaka/facilities/plan/mental-health

あなたのストレス傾向が分かる「ひといき保健室」
https://www.lucua.jp/mousou_shop/hitoiki_hokenshitsu/

(文:コータロー、写真:今井剛)