興味があれば挑戦する。その中には必ず「喜び」がある。
ONtheに関わる人々、利用する会員様にスポットを当ててその人生に迫るインタビュー特集「穏坐な人々」。今回はヨガインストラクターの資格取得に向けて勉強中の吉田典さん。ヨガってただ単純にポーズをとるだけ、と思っていたら大間違い。ヨガの魅力や奥深さ、ヨガ哲学について色々教えて頂きました。
インタビュアー / コータロー
- ヨガインストラクターの資格取得に向けて勉強中 / 吉田 典
- 3年間、専門学校で英語を学んだ後、ミュージカルの学校で歌やバレエ、日舞、演劇、タップダンスなどを学ぶ。
みんな一度は聞いたことがあるような有名なCMソングを歌ったり、声の仕事にも従事。
運動不足解消にと色々なトレーニングをする中でヨガと出会い、現在はヨガインストラクターを目指して、全米のヨガアライアンス(RYT200)に向けて勉強中。
高校生の頃は、ジョン・テイラーになりたかった
子供の頃から好奇心旺盛だったと仰る吉田さん。 映画、グルメ、格闘技、旅行、アニメ、and more…。本当にたくさんの話を聞かせて頂きました。ヨガについてはあまり知識はありませんでしたが、ポーズひとつひとつにもちゃんと意味がある、非常に奥の深い世界だったんですね。
− 本日はよろしくお願いします。現在はヨガの勉強をされているとお聞きしています。
はい。全米のヨガアライアンスで「RYT200」というのがあるのですが、その資格取得に向けて勉強中で、もうすぐ卒業レッスンなんです。
− そうなんですね。ヨガのことはあまり詳しくは知らないので、是非色々教えて頂きたいです。もともと身体を動かしたりするのは好きだったんでしょうか?
そうですね。歌ったり、踊ったり本当に色々してきました(笑)
− なるほど。では順番に学生の頃からお話を聞かせて頂ければ、と思います。
昔から勉強嫌いだったんですが、英語だけは得意だったんです。姉が小学生の頃から「エアロスミス」とか「ローリングストーンズ」とか洋楽をガンガン聴いていて、その姉の影響で洋楽が好きになりました。高校生の頃に「デュラン・デュラン」が好きになって美容院で「ジョン・テイラーの髪型にして下さい」って言ったことがあります。でも、やってもらったら全然ジョンじゃなかった(笑)
− 小学生でローリングストーンズですか、凄いお姉さんですね。
英語の歌詞にも興味があったし英語を専門的に勉強したいと思って、英語の専門学校に行きました。でも「商業英語」「時事英語」という壁にぶち当たりました。
歌って踊る「ミュージカルの世界」と「声の仕事」
その英語の学校を卒業するくらいの頃に、ミュージカルスクールが大阪でオープンする、という案内を見てしまったんです。
最初は、商社に勤めて通訳をしたいと思っていました。でも、踊りには昔から興味があって「どうしてもミュージカルを勉強したい!」と思い3年間英語を勉強した後、ミュージカルの学校へ行きました。
− ミュージカルの学校ってどんなことするんですか?
「バレエ」「日舞」「演劇」「パントマイム」「歌」「タップダンス」そういうのがカリキュラムにあるので全部やりましたね。ただ、大阪にいてそういう舞台だけで食べていくっていうのはほぼ不可能なんですね。進むべき方向について「どうしよう」と漠然としていて迷っていました。
− その頃は、何かアルバイトとかもされてたんですか?
たまたま学校に行きながら、キャラクターショーの司会とかイベントをやってる会社と出会ったんです。そこから色々提案されて「タップが得意なら、ちょっとショーに出てみない?」と舞台やイベントの仕事をもらってやってました。
鶴見緑地で開催された「花と緑の博覧会」って知ってますか?
− はい、もちろん。行ってはないですが、知ってますよ。
私は当時二十歳くらいで、その博覧会で働いていて「キャンディキャッスル館」というのがあって、木こりの衣装で「ようこそ!キャンディキャッスル館へ!」ってやってました(笑)それと学校からも依頼があって、パレードダンサーとしても踊ってました。
万博のお祭り広場に「ハリウッド映画村」っていうのがあって、そこのスタッフの役をやりました。映画評論家だった水野晴夫さんも来てて、みんなで写真撮ってもらったりしました。
たまたま作曲家の方と出会って、「君、ちょっと声出してみて」とベンツに乗せられて、声を出したら「オッケー、今度本番来てくれる?」と言われました。それから徐々に裏方の声の仕事をするようになって、その作曲家の方が作ったCMソングを歌ったりしました。「油汚れに~、ジョイ~♪」って知ってます?
− えぇ、もちろん知ってます。
あれ、私歌ってたんです。今のバージョンじゃなくて、旧バージョンですが。
− そうなんですね!みんな一度は聞いたことがあると思います。
あと、「キムチの徳山物産」のCMと「ハッピーショッピングフジ」の歌。これは今でも使われています。ホームページやYouTubeからも見れるので、良かったら一度聞いてみて下さい。
・徳山物産 CM:YouTubeページ(最後の「ずっと、もっと、韓国の味。徳山物産♪」の箇所が吉田さん)
・ハッピーショッピングフジ 歌:YouTubeページ(歌っているのが吉田さん)
ヨガに出会って、すごく自分を傷つけていることに気付いたんです。
− ヨガを始められたきっかけは何だったんでしょうか?
一切運動しなくなった時期があって、一度体重計に乗ったらとんでもない体重になってました(笑)そこからダイエットを頑張ろうって。
まず加圧トレーニング、あとキックボクシング、トランポリン・・・色々やって、マンツーマンで指導してくれるレッスンのクーポンをたまたま見たので、よしヨガもやってみようと。
− ヨガを通じて学んだことって、何かありますか?
ヨガではポーズをとることを「アーサナ」っていうんですけど、ヨガってただポーズをとるだけじゃないんです。心を養う哲学も学ぶんです。
「八支則」というのがあって、その中に「アヒムサ」という教えがあります。「他人を傷つけるような言動はしてはいけない、でも自分も傷つけてはいけない」ということなんですが、「自分はアホやから出来ない」「周りより劣っている」 私はずっとそうやって自分を責め続けていたということに気づかされました。
「私はあの人より劣っている」「レベルの低い私には出来ない」というのはダメ。じゃあどうするのか?自分を知って、冷静に自分の心を分析して「ちゃんと呼吸は出来てるかな」「どこか無理してないかな」そう自分に問いかけながら、適した判断をして出来る方向にもっていくんです。
− 深いですね。「自分に優しく」というのと「自分に甘い」というのは、似て非なるものだと思います。仕事にしろ、勉強にしろ、僕はどうしても色々と理由をつけて、自分を甘やかせてしまいがちなので、そこら辺のコントロールがちゃんと出来るように是非学んでみたいですね。
− インストラクターの資格という事なので、自分がやるだけじゃなくて人に教えると思うのですが、人に教えるのは難しいですか?
めちゃくちゃ難しいですね。ただ単にポーズをとらせればいいという訳じゃないんです。最後の方にピークポーズと言って、一番メインとなるポーズ、一番きついポーズを持ってくるんですが、そのポーズをとらせるために何が必要か?どういう準備を入れていかないといけないのか?というのを考えないといけない。ポーズの組み合わせの流れのことを「シークエンスを組む」って言うんですけど、レッスンをするときにその人に合ったシークエンスを考えるのが凄く難しいですね。
− 僕は朝から夜までずっと座りっぱなしのデスクワークなので、身体の歪みとか凄く気になるんですが、何か毎日やった方がいい体操などあれば教えて欲しいです。
股関節のストレッチは毎日やった方がいいですね。股関節の可動域が狭くなると、からだの不調など色々問題が出てきてしまいますので。
ONtheを利用するようになった、きっかけ
− ヨガ以外では何か勉強してることとか、興味があることとかありますか?
私、コーヒーが大好きでいつか落ち着いたら焙煎とか豆の種類とかラテアートもそうですが、コーヒーの勉強をしたいと思ってます。父も姉もコーヒーが好きで、DNAなのかもしれません。サイフォンって知ってますか?
− ドラマか何か、テレビで見たことはありますね。理科の実験みたいな、ポタポタ落ちるやつですね。
そうそう、実家にサイフォンがあって、それでコーヒーいれてたんです。あと、ここ(ONthe)を知ったきっかけもコーヒーなんです。
− え、そうなんですか?
DRIP TRIPのあかねさんとヨガを通じてのお友達だったんです。彼女が主催するコーヒーのイベントが凄く楽しくてよく顔を出してたんです。それで、今度ONtheで温泉水でコーヒーをいれる「温泉コーヒー」のイベントをやると聞いてここに来たのがきっかけなんです。
− そうだったんですね。あかねさんは、この「穏坐な人々」でもインタビュー記事が掲載されてますね。
(穏坐な人々 File.001 参照)
もともと勉強嫌いなのもあったし、解剖学とか哲学とか、ヨガの勉強はかなり難しいので、これは真剣に取り組まないと無理だな、と感じていました。 今は、在宅で業務委託の仕事をしていて、家は完全に仕事をする場所になってしまっています。一日中ずっと家で仕事をしていて、切り替えてヨガの勉強を、というのがなかなか難しい。
「これは環境を変えないと・・・」そう思った時に、前に温泉コーヒーのイベントで来たONtheが凄く良いイメージで残ってたので「あそこならピッタリ!」って思ったんです。
− なるほど「ヨガの勉強の場」としてONtheを利用されてるんですね。
はい。ここに通えば「ヨガのレッスンを受けて」「ONtheで勉強して」「家に帰って仕事を」と切り替えれます。
それに、これからは異業種の人同士が手をとりあって新しい何かを作っていく時代。他の業界の人と接することが出来る、そういう場に身を置くのは凄く大事だと聞いています。ONtheは色んな業界の方と接することが出来るので、いい刺激になっています。大好きなコーヒーも飲めますしね。
楽しくて、ついつい喋り過ぎちゃうんですが(笑)
編集後記
“「身体が硬いから無理」「レオタードみたいな格好をするのが恥ずかしい」そう言ってヨガをやらないまま諦めてしまっている人も多いと思う。その人達にもちょっと興味あるって思って欲しい。”
そう仰る吉田さん自身、元々身体が硬い体質だそうだ。でも続けてやれてるし、その中でも嬉しさがあり、身体がどんどん楽になる感じも味わっているという。 もし、この記事を読んでる方の中に「ヨガに興味があるけど、私は身体が硬いからあんなポーズをとるのは無理」と諦めてしまっている人がいたら、どうやらそれは間違いのよう。
ヨガで重要なのは完璧なポーズをとることではなく、その過程だそうです。それに身体が硬い人の方が、可動域が広がり自分の身体の変化が良く分かるそうですよ。
(文:コータロー、写真:今井剛)