“溺愛”とは、自分のすべてを愛することなんです
ONtheに関わる人々、利用する会員様にスポットを当ててその人生に迫るインタビュー特集「穏坐な人々」。今回お話を伺ったのは、おもに30代以上の女性を対象とした婚活サポートをされている、館本來弥(たてもと くみ)さんです。婚活サポートの道へ進まれた経緯や仕事に対する秘めた思いなど、詳しくお話を伺いました。
インタビュアー / 知院 ゆじ
- 婚活ライフデザイナー / 館本 來弥
- 岡山県津山市出身。長年のOL生活を経て、自身の結婚を機に婚活イベント・パートナーシップのカウンセラー活動を本格的に開始。婚活に悩む女性を「出会って90日婚」「溺愛され婚」へと導く。さまざまなジャンルの方とコラボレーションしたイベントも、精力的に開催している。
暗黒時代から“溺愛される”ようになるまで
現在、結婚4年目だという館本さん。ご主人のお話をされているときは、語尾にハートマークが見えるほど幸せな様子が伝わってくる。
「でも、主人と出会うまでは恋愛の暗黒時代で。『逆にどうやったらそんなひどい人ばかりに出会えるの?』とよく言われていました(笑)」
なんと、これまでかなり恋愛に苦労されてきたご様子……。
「『どうすればこの状況から抜けられるのか』と悩んで、ずっと考えているうちに『これだ!』という人生のテーマが見つかったんです」
皆さんと幸せを分かち合いたい
現在は、おもに30代以上の女性に向けた「婚活ライフデザイナー」として活動している館本さん。
「恋愛がうまくいかない『こじらせ女子』さん向けに、ご自身の力で理想のパートナーと出会える手助けをして、結婚まで導くサポートをしています。結婚相談所とマッチングアプリを併用して、出会いに悩んでいる方を支援するのがおもな内容ですね」
婚活のお手伝いとなるため、館本さんの元へ訪問する方は全員独身である。
「恋愛の悩みは、20代と30代40代では大きく中身が異なります。恋愛やパートナーシップ、結婚がすべてではない生き方などを模索して、それにリンクしたパートナーを選ぶ。大げさかもしれませんが、再度自分を育てなおしするお手伝いだと考えています。
要らないものや思い込みを捨てて、楽しく軽やかに生きていくのが大切なんですよね」
長らくOLとして働いてきたが、結婚前から「結婚したらこの仕事をするようになるのでは?」とぼんやり思っていたそうだ。
「『人を幸せにしたい』『皆さんと幸せを分かち合いたい』といった考え方は、生まれ育った環境が関係しているかもしれないですね。
地元の岡山県で、叔母がずっと仲人の仕事をしていたんです。『田舎の世話焼きおばちゃん』といった雰囲気で、いろいろな方の縁を取り持ってすごく喜ばれていたのを見ていて、私も影響されたのかな、と。
自分には縁のない仕事と若い頃は考えていましたが、潜在意識ではずっとやってみたいと思っていたのかもしれません。私も世話好きなほうなので」
大病の経験から思考の習慣が変わった
はつらつと話される現在の姿からは想像できないが、若い頃に大病を患った経験がある。
「ステージ4のがんになってしまって。『1年後に生きている保証はできない』とお医者さんに言われました」
いつも明るい館本さんもさすがに気持ちがへこんでしまったそうだが、療養中に転機が訪れたという。
「手術が終わったあと、心が沈んでうつ状態が続きました。そんな自暴自棄な気持ちとはうらはらに、身体の細胞が『良くなろう、生きよう』としているのが感覚としてわかったんです。
その気づきをきっかけにして、毎朝普通に目覚めることが幸せなのだと思えるようになりました。社会復帰できたのがうれしくて、日曜日の夜は翌日会社に行けるのがとても楽しみでしたね(笑)」
大病をきっかけに、うまく生きられるコツも次第にわかってきたそうだ。
「思考の習慣を変えれば、すべてがうまくいくとわかりました。もともと悪いところばかりが目につく減点思考だったのですが、それではダメだと気づいたんです。
うまくいかないときに悪い部分を責めることにフォーカスしていたのを、良さや豊かさ、すてきなところといったプラス方向に目を向けるようにすると、すごく生きやすい人生になる。
減点法から加点法に考え方を変えてから、いい人にしか会わなくなりましたね。それが恋愛とリンクするには、少し時間がかかってしまいましたけど(笑)」
ONtheはおもてなしには最適の場所
ONtheは、セミナーの開催やカウンセリング、コーチングのセッションなどでよく利用しているという。
「お世話になっていた方がイベントをしていたのが、ONtheを知ったきっかけです。ナチュラルで緑もあるし、温かみのある雰囲気が気に入っています」
カウンセリングは、遠方の会員とはオンラインのケースもあるが、基本的には対面で開催される。
「ONtheはなんといってもドリンクバーが充実しているのがいいですね!飲み物の種類がたくさんあるので『受講してくださる方をおもてなしできる』という意味でも、ありがたさを感じています」
”溺愛される”が人生のテーマになっている
今後はご自身の経験を生かして「もっと何かを伝えられるのではないか、伝えるにはどういった方法がよいか」を模索していきたいと話す。
「婚活ライフデザイナーとして、結婚相談所をメインに据えて拡大していきたいと考えています。
結婚相談所は結婚できない人がくる場所だというのではなく、利用したからこそ幸せな結婚ができたといってもらいたい。出会いから結婚までではなくて、その先も末永くお付き合いできるような結婚相談所を、ゆくゆくは自分で開業するのが夢ですね」
なお、館本さんの主催するセミナーは“溺愛される”がテーマになっているものが多い。
「『私が幸せになって、みんなにこの幸せを分かちあうんや!』これが私のミッションであり、行動の指針になっています。私のセミナーも表向きはわかりやすく「溺愛される」としていますが、人から溺愛される量は、じつは自分が自分を愛している量なんですよね。
生き方に悩まれる方や身体に不調を抱えている方も、私のところへたくさん来てくれます。人生良いことばかりとは思えないときも、実際あるじゃないですか。『何も悪いことしていないのに、なぜ自分だけ不幸になるんだ』と思う瞬間もあるかもしれない。
でも、それらすべてを含めて『私がぜんぶ愛してあげるから、ここにいてもいいんだよ』と自分自身で感じられることが、溺愛の本質だと思うんです。そして、それは私の人生のテーマでもあります」
ご自身の壮絶な経験をもとに発せられる言葉には、説得力と重みが感じられる。
「自分のマイナス部分を溺愛できると、爆モテするようになるものなんです。年齢なんて関係ありません。婚活に悩んでいる方へ『自分にぴったりのパートナーは必ずいるから!』と、強く伝えていきたいですね」
編集後記
館本さんのご実家は築150年くらいの古民家で、田畑も所有しているそうです。
「実家で農業も手がけつつ、遠隔でもできるオンライン結婚相談所の立ち上げも視野に入れています。将来的にはオンラインでの結婚相談と、食から心を元気にするという二本立てで、パートナーシップ構築のお手伝いをしたいですね」
外面だけではなく、内面からも幸せになってもらいたいという志の高さを感じます。
「病気をしたことで、食べ物もいろいろ調べて気をつけるようになりました。ちゃんと栄養を取るだけで、落ち込まない元気な心を取り戻す効果があるんですよ」
カップ麺で生きながらえている僕にとっては、耳の痛い言葉……。これからはきちんと栄養を取るように気をつけます。
これからも「講座やセミナーも積極的に開催していきたい」と話される館本さん。セミナーなどの情報やお問い合わせは、次のリンクからお願いします。
■ブログ
(文:知院 ゆじ、写真:今井 剛)