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コンプレックスだった数々の失敗が最大の武器に

ONtheに関わる人々、利用する会員様にスポットを当ててその人生に迫るインタビュー特集「穏坐な人々」。今回お話を伺ったのは、個人向け起業コンサルタントの徳沢精悟さん。幅広く活動をする徳沢さんに現在のお仕事に出会うまでのいきさつや今後の展望についてお伺いしました。

インタビュアー / 鶴野ふみ

個人向け起業コンサルタント / 徳沢 精悟
営業職、フリーランスのプログラマーを経て、現在はセミナー講師やコンサルティング、スイーツ事業などを幅広く展開している。

全くの未経験からフリーランスのプログラマーへ

コンサルタントやスイーツ事業、オンラインサロン、セミナー講師などと幅広く活躍されている徳沢さん。

社会人としてのスタートは現在の仕事とは少し違ったものでした。

大学卒業後は営業職として働いていました。ちょうど、社内にホームページを制作したり、プログラミングをしているスタッフもいて、「こんなの、自分で出来たらおもしろいだろうな」と思い、プログラマーという仕事に漠然とした興味を抱いたんです。

その後、転職することになったのですが、せっかくなら、その「プログラマーの道」に挑戦してみよう、と。

でも、大学は文系だったし、専門学校に通ったわけでもないし、全くのド素人の思い切った挑戦でした。もちろん不安もあったのですが、前職で培ったコミュニケーション能力が評価され、キャリアゼロでもプログラマーとして採用してくれた会社があったんです。

そこから仕事をしながら、プログラミングを必死に覚えていきましたね。その後、ベンチャー企業へ転職し、さらにプログラマーとしての経験と実践的な知識を身につけ、フリーランスになりました。


クライアントワークからさらに一歩前進した仕事を

フリーランスのプログラマーとして独立した徳沢さんは、もっと自分らしさを出せる働き方をしたいと思うようになります。

独立して間もないときはフリーランスのプログラマーとしてクライアントさんからいただいた仕事をしていました。会社員時代よりも収入もかなりアップしたし、技術も飛躍的に向上しました。

ただ、なんだか味気なく感じてしまったんですよね。クライアントさんの意向に沿ったものを作るということに。もっと、自分らしさを出せる、「自分の事業」を作りたいな、と思うようになりました。

そこから、プログラミングやフリーランスとしての活動の仕方の講座を作って販売をし始めました。

プログラミングの講座を始めたのと同じタイミングで新しい事業も開始します。

一緒に仕事もしている彼女がパティシエで。パティシエの彼女とプログラマーの僕と、何か自分たちでしかできないことってないかな、と。

いろいろ考えた結果、彼女が 開発したスイーツを僕が作ったサイトで販売する事業を立ち上げました。 一般発売前にはクラウドファンディングにも挑戦し、ありがたいことに約3週間で200万円もの支援をいただきました。

順風満帆で失敗知らずのように思える徳沢さんの経歴ですが、その裏には数え切れないほどの失敗もあったそうです。

本当、失敗は数え切れないほどしてきました。例えば、収益化を目指したブログでは3年かけて100記事以上作ったのに、全く売上にならなかったり、スイーツ事業も最初のクラウドファンディングが目標達成したので、つい自己流の施策をやってしまって赤字を出したり、 販売戦略が甘かったために大量に廃棄せざるを得なくなってしまったり、とか。

失敗のエピソードはいくらでもありますよ(笑)。

当時はすごく苦しくて、「やっぱり自分はダメだな」と失敗が多いことがコンプレックスでした。


失敗したからこそ説得力を持って伝えられる

人知れず失敗を重ねながらも、スイーツ事業の立ち上げやクラウドファンディング、プログラミング講座は成功を収め、その方法を尋ねられることが多くなりました。それが現在も行っているビジネスに関するセミナーの開催へとつながりました。

今、僕のセミナーに来てくださる方はフリーランスになりたいという方や、すでに独立しているけど、クライアントワークから脱したいという方、定年後に自分の事業を立ちあげたいという50〜60代の会社員の方などさまざま。

その方々の立場は違えど、ビジネスに関して引っかかったり疑問に思ったりするポイントはわかるんですよね。

僕自身が同じような境遇で試行錯誤してきたので。

たくさん失敗してきた分、「そういうときはこうした方がいいですよ」というアドバイスもできます。

中には「徳沢さんだからそんなにうまくいったんですよ」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、「いやいや、びっくりするぐらいの回り道をしてるんですよ」と失敗談をお話すると説得力が増すようで(笑)、しっかり受け止めていただけるんです。

コンプレックスにすら感じていた自分の失敗が人の役に立っていることをうれしくも面白くも感じますね。

今の時代、情報だけなら、Youtubeを見れば事足りてしまうと思うんです。でも、僕には失敗談があるから、皆さん耳を傾けてくれる。数ある失敗談は今では僕の強みのひとつです。

ONthe UMEDAの醍醐味はそこから始まる出会いがあるところ

ONthe UMEDAでもセミナーを行う徳沢さん。そんな徳沢さんにとって、ONthe UMEDAは代替の聞かない場所だそうです。

仕事柄、コワーキングスペースはたくさん行くのですが、ONthe UMEDAには特別な雰囲気があると思っています。

単なる「ワーク」だけをする場所ではなく、「コワーク」するところというのがONthe UMEDAの特徴じゃないかな。スタッフさんが間に入って、「こんな人がいるんですよ」って人と人をつなげてくれるんです。そういう「和」みたいなものをすごく大切にされている。この雰囲気はONthe UMEDAだからこそだと思います。

実際にONthe UMEDAでの出会いから思いもよらなかったコラボや仕事につながっているので、ありがたいですね。

より多くの人に自由な働き方を伝えたい

徳沢さんのセミナーに来られる方の中には「フリーランスに憧れるけど、自分には何の専門分野もない」とおっしゃる方も多いそう

「自分には売りになるようなものは何もない」という方でもいろいろお話を聞いていたら、絶対何か出てくるんですよ。

例えば、人から相談されることが多いという方には、コーチングやカウンセリングが向いているんじゃないかなと思い、ご提案しました。

「ずっと総務にいたから、特定のスキルがない」という方には、最近、バックオフィスの代行が非常に重宝されているということをお伝えしたり。

皆さん、今までの経験で何かしら「売り」になるものを持っているんですよ。

プログラミングやデサインみたいなわかりやすいスキルだけじゃなくて、それ以外にも 事業になるスキルってたくさんあるんです。それをお伝えすると、喜んでいただけるので、こちらもうれしいですね。

セミナーやマンツーマンの相談会などでは、こんな風に皆さんの事業の軸を見つけるお手伝いもしています。


セミナーやオンラインサロン、SNSなどと多くの発信をする徳沢さんですが、本来は聴く方が得意だと言います。

人の話を聞いて、そこからその人の強みを引き出すのが得意なんです。僕としゃべるとモチベーションが出てくるなんてことを言ってくれる方もいます。

僕は人に教えるのも聴くのも好きなので、今の仕事、楽しいんです。自分の経験がほかの人の糧になるのもうれしいですしね。

この活動を長く続けて、もっとより多くの人に自分の経験を伝えたいですね。そしてその人らしく働けるようになる手助けができれば何よりです。

編集後記

実際にお話をお伺いする前は、コンサルや起業なんて遠い世界の話しのようで、「自分とは関係のない世界にいる方なんだろうな〜」と思っていました。

失敗談をざっくばらんに教えてくださったり、「普段は人見知りですよ」という一言にとても親近感が沸き、「もしかしたら、わたしでも『自分の事業』できるかも?」と。

聞き上手の徳沢さんにわたしのモチベーションもがっつり引き出されたようでした。

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(文:鶴野 ふみ、写真:今井 剛)