手から読み取るのは、その人の明るい未来
ONtheに関わる人々、利用する会員様にスポットを当ててその人生に迫るインタビュー特集「穏坐な人々」。今回お話を伺ったのは、手相鑑定45年の実績を持つ手相リーディングテーラー 香山 桂子(Kei)さん。手のやわらかさや形、温度で、その人の性格や考え方、未来まで読み取れるそうです。
インタビュアー / さとう れいこ
- 手相リーディングテーラー / 香山 桂子
- 福岡県出身、神戸市在中
手相鑑定では、45年間の鑑定実績から独自の手相学メソッドを見つける
*手相リーディングマスター資格取得
*経絡Hand Therapist資格取得
1983年趣味で作っていたアクセサリーが子供服のメーカーの目に留まり「アトリエ パフティ」として制作販売、NHK『おしゃれ工房』に数多く出演してキット販売も始める
主な著作『花のウエディング小物』『とってもかんたん和の粘土細工』(講談社)
『かんたん・きれい 幼児のあたらしい壁面構成』(黎明書房)他多数
手相鑑定に向いているのかも…働き出す直感
「手相見ましょうか?」
インタビューが始まってすぐに、香山さんは私の手相を見てくださった。
緊張しながらも差し出した私の手を見ながら、にっこりと微笑み話し始める。
「あなたとっても元気ね。健康です。元気に健康で産んでくれた両親に感謝しないとね。そしてあなた、人の話を聞かずに思い切った行動しますよね」
ドキリとした。元気で健康なのに親に感謝の気持ちを伝えたことがないし、親や周りの大人の話を聞かずに思い切った行動をして驚かせてしまったことが(多々)ある。
その後もドキリとすることがどんどん出てくる。自分の過去、現在、そして未来についてじっくり語られていく…あっという間に香山さんの言葉の世界に引き込まれてしまった。
そもそも香山さんが手相を始めたきっかけは何だったのか。
「手作りのオリジナルアクセサリーの作成や販売、クラフト教室の講師をしていたの。手を使って物を作る世界でしょ。たくさんの人たちの手を見る機会が増えていったんです。
すると、手って人によってこんなにも違うんだな、と思うようになったの。それから自己流なんだけど、手相の勉強をするようになったんです。
手相を見る時にちょっと手を触ってみても、人それぞれで温かさや形、やわらかさが違う。触ってみて違和感があった人に、ちょっと体調悪いんじゃない?なんて聞いてみると、実は病院でこんな検査結果が出て…なんて話しが出てくるようになったのね。
もしかしたら手相鑑定に向いているのかも。そう思って、たくさんの人の手を見ていると、直感もどんどん働きだして手相からいろいろなことが読み取れるようになったの。手相を見てあげた人からの口コミもあって、たくさんの人から手相を見てほしい、と言われるまでになりました」
手相鑑定はその人の心を変えるお手伝い
その後40年以上も手相を見てきた香山さん。しかし、手相は仕事ではなく、趣味で鑑定していたそうだ。たくさんの方々の手相を見てきたが、全て無料で行っていた。
「あくまでも仕事はクラフト(手芸)だったの。主人の転勤がきっかけで福岡から兵庫へ引っ越して社宅暮らしに。何もすることがなくて趣味で始めたのが、手作りのオリジナルアクセサリーだったの。
それが子供服メーカーの目に留まって本を出版、個展を開くことになり、テレビにも出演したわ。自分が作った作品が認められるのが嬉しくて、楽しくてね。物を作ることは自分の生活の一部だったから、ずっと自分のペースでやってきたの。
でも、70歳になった私にできることは何かな?と考えた時に、手相で人の心を変えるお手伝いができたらいいな、と思ったのよね」
40年以上の鑑定経験を活かし、趣味だった手相を仕事にすると決意した香山さん。今まで行ってきた個人の手相鑑定と並行して、手相学を学ぶ講座を開くことに。それに伴い、手相リーディングマスターと経路ハンドマッサージの資格を取得した。
「人に教えるのなら資格を取って、きっちりしておかないとね。講座では経路ハンドマッサージも一緒に教えます。手相を見る時は経路ハンドマッサージでリラックスしてもらい、その人の考え方や気になっていることを引き出すの。
手相はね、直感だけの占いじゃないの。手にはその人の考えていることが表れていて、手相の線の長さや濃さで読み取ることができる。そこからどうすれば明るい未来になるのかを伝えるのが、手相リーディングテーラーなのよ。
この人はこの考え方をちょっと変えてあげるともっといい方向に動き出すな、と思うことってあるじゃない?それを伝えて、心を変えるお手伝いができたらいいわよね」
直感に導かれたONthe UMEDA
香山さんの手相講座やイベントはONthe UMEDAで行われている。手相講座「kei手相スクール」は全6回のプログラムで、香山さんが40年以上培ってきた手相鑑定の知識と経験を学べる。
香山さんとお茶を飲みながら、自分の将来やハンドメイドについてトークができる「クリエイトfromハンドCafé」も人気イベントのひとつだ。
「手相を見るのにね、暗くて狭いところは嫌だな、と思っていたの。日の当たるところで、おおらかにしたかったのよ。ONtheUMEDAは窓が大きくて日がよく入って、開放的よね。初めてお友達と来た時、ここだ!と思ったの。これも直感よね。
スタッフさんに手をモニターに映す方法を教えてもらったので、講座でできることが増えました。大きな画面で線を見ながら教えることができるなんて、自分だけじゃ思いつかないもの。教えてもらうことが多くて、助かっています。
若い人の中に飛び込むのは勇気がいることだけど、思い切って入ってよかったと思っています」
歳をとったからこそ、できることがある
70歳でクラフトから手相へと、キャリアチェンジした香山さん。これからの展望をお伺いした。
「この歳で何ができるかって、まだまだ模索しているんだけど…お節介なおばあちゃんになりたいわね。私は気が弱いタイプだから、思っていることをなかなか言えないんだけど。でも言うんだったら、自分の身を正してからではないとダメよね。
この歳になると、歳をとったからできないって思っちゃうけど、歳をとったからできることもあるんじゃないかなって。お節介おばあちゃんも、歳をとったからこそできることのひとつ。ほかにも私に何かできることはないか…それを探す魂の旅に出るわ」
編集後記
インタビューの最中、しきりに「両親、仕事、そして自分の体に感謝して過ごしなさい」と私におっしゃってくださる香山さん。親からも常に「感謝の気持ちを大切に」と言われてきたな…
そして、私が暴走気味なことを手相から読み取った香山さんは「落ち着いて、落ち着いて行動すること」と念を押してくださいました。
これからは感謝の気持ちを表現し、落ち着いて行動して生きていきます。
(文:さとう れいこ、写真:今井 剛)